「安定よりも、自分の道を選ぶ。」大切な人からの反対と、その先に見えたこと
起業を決めたとき、初めに話したのは、何人かの友達。
特に、Aちゃんとのやりとりは今でも印象に残っています。
「実は、ハンドメイドで起業したいんだ」
私がそう言った瞬間、Aちゃんの顔が曇りました。
「nami、あかんって。それ、ほんまにやっていけるの?公務員手放すって、もったいないよ」
Aちゃんは、公務員の安定や保障の大切さを誰よりも知っている人。
シングルマザーとして、子どもたちを守りながら生きてきたその背中を、私はずっと見てきました。
だからこそ、Aちゃんの反対は、正直、心に刺さりました。
でもそれでも——私の中では、「自分でやってみたい」という想いの火が消えなかった。
Aちゃんはこうも言っていました。
「もし、もしうまくいかなかったら、戻ることはできないの?」
そのとき私は、正直分からなかったので上司に確認してみると——
「戻ることは可能です」との返事。
まじで…!?それなら、AちゃんもOK出してくれるかも!
予想通り、Aちゃんも渋々ながらも納得してくれて、退職の流れが進みました。
友達だけでなく、親戚など、辞める前には本当に色んな人に相談しました。
それでもやっぱり、私の中では何を言われても、「自分でやってみたい」という気持ちが揺らぐことはありませんでした。
それまでの私は、与えられた仕事を一生懸命こなして、「安定」というレールの上を歩いていました。
周りから見れば、きっと順調だったと思います。
でも、ふと立ち止まったとき、自分の心が置いてけぼりになっているような感覚があって。
編み物は、小さい頃からずっと続けてきた「好きなこと」。
「これ作って!」と言われて作ったものを喜んでもらえて。できたものの完成度に喜んでもらえて「もっと作って!」と言ってもらったり。
そういう、自分のスキルで誰かが喜んでくれることが、単純にうれしくて。
でも公務員の仕事をしていると、それに時間を割く余裕がまったくなくて。
スキルを置き去りにするしかない状況に、次第に違和感を感じるようになっていきました。
通勤の時間も「もったいない」「惜しい」と思うようになり、時間効率のことばかりを考えるように。
そして自分に問いかけました。
「これからの人生、どう生きたい?」
そのときに必ず浮かぶのは——
**私の最終目標「経済的自由を手に入れること」**です。
好きなことをしながら、自分の力でしっかりと収入を得て、
誰かや何かに依存せずに生きていける力をつけたい。
自由に時間を使い、大切な人と過ごす時間をもっと豊かにしたい。
そのために、今は「土台」をつくっているところ。
小さな作品を一つひとつ届けながら、自分のブランドを育てていく日々です。
反対の声にも、自分の覚悟を示すことで、少しずつ信頼に変えていける。
そんなふうに、一歩ずつでも「私の人生」を歩いていけたらと思っています。
それから数ヶ月。昨日は私の誕生日でした。
Aちゃんは、お祝いもしてくれて。
「これ、可愛いな」って、私の作った作品を見て言ってくれる。
「次はこんなのも作ったら?」ってアイデアもくれたりして。
ちゃんと見てくれてる、その温かさが本当にありがたいです。
まだ始まったばかりのこの道。
これからも、少しずつ前に進んでいこうと思います。